越境EC成功のための一番大切な話 – マーケット選定編 –
蓄積それはビジネスの発展、成功に必要不可欠な要素と言えるかと思います。
個人的にもこの積み上げ型であるか否かがビジネス決定要素の大きな一つのポイントです。
もちろん越境EC、輸出ビジネスにも大きく関わってきます。
本日の記事は、越境EC、輸出ビジネスにおける積み上げるべきポイントはどこなのかについて書いていきます。
越境EC成功のための一番大切な話
巷ではアジア、特に中国への越境ECがとりだたされており、その魅力はやはりマーケットサイズと市場成長可能性。
中国を中心とした中華圏、そしてインドネシアを中心とした東南アジア圏は言わずもがなですね。
一方で越境EC成功確率でいうと間違いなく欧米、特に米国が圧倒的に多いと感じます。もちろんAmazonという強力なモールがあることも大きな要因です。
過去5年で1000社以上の企業、個人を対象に越境ビジネスセミナー、サービス提供を行ってきましたが現在も売り上げを伸ばし続けているのは欧米中心に展開している所が90%以上。
その理由を考察してみて、4つのポイントを一例ずつあげてまとめてみました。
なぜアジアではなくアメリカ
①世界有数の発信力
日本を代表するコンテンツである、「アニメ」「食」。
これを発信し、醸成したのはアメリカです。アニメは西海岸を中心に、食はニューヨークを中心に広がりました。
北米最大級のアニメイベント「Anime Expo 2018」が飛躍に貢献し、食では1960年代にニューヨークに出展したBENIHANAがけん引し、発展してきました。
そこから火が付き今や全世界で人気を博すようになったので、やはり発信力は非常に強いといえます。
その礎があったからこそ、現在の越境ECがあるといえますね。
またSNS発信力が欧米からだと、そこからアジアに派生するケースも多いので、そこも魅力の一つですね。
②豊富な消費資金
資金というよりも、どこに使うのかといった方が正しいのかもしれません。
アメリカの貯蓄しない文化に加え、好きな事には時間もお金も惜しまない、ミレニアル世代の台頭が買い物をシームレスにした越境ECの後押しをしてくれています。
③システムインフラNo.1
こちらは下の資料に数値化されている理由がありますが、欧米の方が圧倒的に越境ECを行う上でのITインフラ(特にセラーサイド)が整っているという事が言えます。
専門的になりますが、販売における生産性を上げるシステム開発が簡単にできる市場(APIの無料開放など)や、ユーザビリティ性の高いロジ(特にラストワンマイルの部分)が提供されているか否かといった点が挙げられます。
例えばAmazonでいうところのFBAが該当します。
例えば、ツールがたくさん出回っているかどうかも、この点と相関関係があります。
中国、アジア系のモールではこのITインフラが整っていなかったり、利用がしにくいケースが多く、欧米は進んでいることが特徴です。
④法規制の透明性(積み上げるべきポイント)
個人的には実はこれが一番大きな影響を与えていると考えています。
「税金」「法規制」になります。
販売における「税金」は現地に収める税金(関税と消費税)と、還付における税金と2種類あります。
現地に収める税金の有名所としては欧州のVATがあります。もちろん越境ECでも一定の要件を満たせば現地に納税義務が発生してきます。
また還付における資料もAmazonであれば、細かい点まで資料取得が可能です。
「法規制」に関して、輸入規制に着目する必要があります。
輸出の場合、大切なポイントは現地輸入規制(ルール、レギュレーション)などを理解し、従わなければならないという事です。
このポイントが最も積み上げるべきポイントと考えます。
商品ごとの法規制や関税及び諸費用を理解し販売していくことにより利益構造が明確になりコストストラクチャーに良い影響を与えていきます。
実際中国、東南アジア圏では、政治的、経済的な面を見ても不安定な要素もあり、時にルール(関税率など)が根本的に変わってしまう事象もこの5年で起きてきており、非常に足場不安定といった状況となっております。
グローバルインターネット小売市場指数
さて、最後にA.T. カーニー(米国)という調査会社がまとめた国別のランキングを見ていきましょう。
A.T. カーニー(米国) グローバルインターネット小売市場指数 (The Global Retail E-Commerce Index™ ) は、調査対象の国を、4つの次元から評価、0~100のポイントで数値化しています。
・Online Market Size: オンライン小売市場規模(40%)
・Consumer Behavior: 消費者行動(20%)
・Growth Potential: 成長ポテンシャル(20%)
・Infra – Structure: インフラ(20%)
以下項目のポイントが高い国ほど、よりインターネット小売り、越境ECの成功可能性が高いことになります。
赤枠部分が着目ポイントとなり、特にInfra – Structure: インフラ(20%)が2位の中国と圧倒的な差になっており、2018年7月現時点でもAlibaba(中国)、LAZADA(東南アジア)はセラー目線でもAmazonと比較すると「リサーチ」「受注管理」「出荷管理」の部分で見劣りする部分があります。
またいきなりのルール変更が起きることもアジア圏市場では幾度となく起きてきました。
せっかく越境ビジネスを開始するのであれば、
①透明性があるため成功角度が高く
②積み上げ型になりやすく
③構築後に縦横展開(米国→アジアでのSNS派生等が起こる可能性)も可能
という米国が一番のおすすめですね。
越境EC成功のための一番大切な話 – マーケット選定編 -は以上となります。
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