<なるべく税負担を抑えたい>というのは、社長であれば誰もが考えたことがある共通の悩みではないでしょうか。
税負担を抑えるためには<年間の予想利益>を作成しながら、節税対策をいたします。
この<年間の予想利益>の作成こそが、節税対策のポイントなのですが、法人の決算月によっては、<年間の予想利益を上手く作成できないケース>があります。
具体的には、越境ECで海外販売をされている方は、毎年のホリデーシーズンでは多額の売上高が見込めますが、ホリデーシーズンにて<実際にどれぐらいの売上高が見込めるか>については結果が出るまでわからないというケースです。
このようなケースの場合、年間の予想利益と実績が大きくズレてしまうので、節税対策の効果が少なくなってしまうことも考えられます。
そこで下記の記事にて、越境ECセラーにとっておすすめの記事について解説いたしました。
結論としては、越境ECで海外販売をおこなう法人におすすめの決算月は「9月末」「10月末」です。
しかし、既に法人を設立している方の場合、「9月末」「10月末」に決算を行うためには、法人の決算月を変更する手続をしなければいけません。
本記事では、法人の決算月を「9月末」に変更する方法について解説いたします。
「この記事は下記の方を対象にしています。」
・既に海外販売をしている方のうち、節税対策をしたい方(中級者~上級者)
第一ステップ:定款の変更がしましょう
まずは、法人を設立した際に作成した<定款>を探しましょう。
定款の中に「法人の事業年度」について記載されている条文がありますので、当該箇所を修正した定款のドラフト版を作成いたします。
(例)
修正前:当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする。
修正後:当会社の事業年度は、毎年10月1日から翌年9月30日までの年1期とする。
上記の内容に修正した定款のファイルを作成することで、一個目の準備が完了いたしました。
第二ステップ:株主総会議事録の作成をしよう
次に法人が株式会社の場合、株主と話し合いをして、定款変更の可否について決議をする必要があります。
この時、全体の株主数に対して3分の2以上の賛成があった旨を書面で残します。いわゆる、株主総会議事録と呼ばれる書類です。
株主総会議事録とは、具体的に下記のような書類をいいます。
上記の株主総会議事録の最後のページに、出席した役員名義にて押印をして保管いたします。
当該書類が定款変更をしたことを証明する書類となりますので、適切に保管をいたしましょう。
第三ステップ:税務署などに届出書を提出しよう
次に最寄りの税務署、県税事務所、市役所に、<決算月を変更した旨>を届け出ましょう。
提出先 | 書類名 | 添付書類 |
税務署 | 異動届出書 | 株主総会議事録のコピー |
県税事務所 | 法人事業年度変更届出書 | |
市役所 | 法人変更等申告書 |
上記の書類を提出することで、法人の決算月の変更が完了いたします。
まとめ
既に法人を設立されている方のうち、年間の予想利益を見積もることができず、節税対策が上手くできていない方は、決算月の変更がおすすめです。
年間の予想利益を正確に作成することで、例えば役員保険などを活用して上手く節税することもできます。
その結果、払わなくてもよい税金を減らすことができ、法人のキャッシュ・フローを高めることができます。
興味のある方は、是非、ご検討いただければ幸いです。
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